大学院法学研究院 准教授
大賀 哲

つばさプロジェクト・インタビュー

2016.03.18

つばさプロジェクト・インタビュー
私、大賀は「九州大学教育研究プログラム・研究拠点形成プロジェクト(P&P)特別枠・つばさプロジェクト」という非常に長い名前の資金を今年度からいただいているのですが、先日(と言っても渡航前なので1カ月くらい前ですが…)学内向けのインタビューがありました。内容はこちらにアップされているようです。

だいたいこの通りなのですが、やや伝わりづらかったところ、割愛されてしまったところもあるので少し補足すると、言いたかったことは次の二点です。

1. 単に異分野の研究者が役割分担をする(自分のパートをこなす)という意味での文理連携と、共同研究を通じて自己のアプローチや認識、研究のあり方自体を更新し、再検討し、互いにフィードバックし合いながら、その結果として複数の分野の知見を統合する文理融合は区別されるべきである(前者ではなく後者を目指しましょう)。

2. 単にアカデミアの内部で複数の分野の研究者が共同作業を行うという意味でのインター・ディシプリナリティ(inter-disciplinarity)と、実務家、行政、産業界、市民社会etc. などステイクホルダー(研究成果を利用する人々、または研究成果に影響を受ける人々)を含めて研究のアウトプットを議論する、検討するという意味でのトランス・ディシプリナリティ(trans-disciplinarity)は区別すべきである(これも具体的な実現はいろいろと難しい問題もあるのですが、やはり目標とすべきは前者ではなく後者ではないか…)。

具体的にどうするんだ?と訊かれるとなかなか難しいところではありますが、これからの異分野融合型の研究には上記は欠かせないものになるでしょう。おそらく、お題目としてはいろんなところに登場するのですが、具体的にプロジェクト・ベースでこれらのポイントをいかに進めて行くのかという点は一部のものを除いてあまり議論がないように思います(例えば、アレン・レプコ(光藤宏行他訳)『学際研究―プロセスと理論』九州大学出版会)。話しながら考えが深まってきたという部分もあるのですが、今後は1と2の具体的な方法を考えて行きたいと思う次第です。

 


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