大学院法学研究院 准教授
大賀 哲

九州大学共創学部

2016.11.21

九州大学共創学部
 

九州大学の新学部・共創(きょうそう)学部、ついにプレスリリースされた。詳細はこちら。文理融合の学部で人間・生命、人と社会、国家と地域、地球・環境の4コースからなる。2018年4月新設予定である(私も「人と社会」の担当教員として参画している)。

昨年、つまり2015年度あたりから国公立大学の学部新設や再編が目立っている。実際どういう感じなんだろうか?ということで、入試動向分析を参照してみると、国公立大学の新設学部の記述はだいたい以下の通り。

● 宇都宮・地域デザイン
認知度が高まったため、やや志願者増か
● 千葉・国際教養
人気の高い分野だけに志願者増が見込まれる
● 東京海洋大・海洋資源環境学部
セ試の英語が基準点以上という出願資格が敬遠材料となり、…低倍率
● 横国・都市科学部
比較的高倍率となりそう
● 新潟・創生学部
認知度不足のため、初年度は低倍率の見込み
● 福井・国際地域
認知度が上がったため、やや志願者増が見込まれる
● 静岡・地域創造学環
開設初年度から比較的高倍率だった反動で、2年目はやや志願者減の見込み
● 滋賀・データサイエンス
社会的需要の高さから、多くの志願者を集めそう
● 島根・人間科学部
コース設定(心理学・福祉社会・健康科学)がわかりやすく、志願者を集めそうだ
● 徳島・生物資源産業
認知度が高まり、やや志願者増の見込み
● 愛媛・社会共創
やや志願者増
● 佐賀・芸術地域デザイン
認知度が高まり、やや志願者増か
● 大分・福祉健康科学
認知度が高まり前期が志願者増の見込み
● 宮崎・地域資源創成
開設2年目で認知度が高まり、…やや志願者増か。

 
これもまあいろんな見方があるけれども、首都圏・関西圏以外は結構学生集めに苦戦しているということと、知名度・認知度を高めることの重要性が窺われる。これはまあ現行の文科省の設置申請の問題でもあるのだけど(申請して認可が下りるのが前年度の8月末、実質的に広報等をする時間的余裕がほとんどない…)ので、初年度で認知度が高く注目される学部とそうでない学部の落差が激しい。上記をみると、静岡は初年度から高倍率。滋賀・島根も受験生を集めそうだ。初年度であまり認知度を高められなかった場合、次年度が勝負になる。開設2年目で認知度を高め、高倍率となりそうだ…という大学がチラホラある。まあそうすると、初年度の認知度とそれが難しければ次年度以降の認知度が重要になる。本学の場合は共創学部という学部名が何を勉強する学部かわかりにくいことと、文理融合というキーワードがどれだけ高校生に響くのかが未知数という点が懸念されるが、メディア等で注目はされているようなので、とりあえず初年度に期待したい(いや、これから設置申請に関わる書類関係がいろいろ大変なのでありますが…)
 


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