2015.07.27
福岡・能古島を舞台とした映画『なつやすみの巨匠』を観てきました!(公式サイトはこちら)。脚本は、『相棒』の脚本なども手掛けられた入江信吾さんです。ここしばらく映画館からは足が遠のいていたのですが、ひと月ほど前に入江さんにお目にかかったのがきっかけで、お話をお伺いしてるうちになんだかとても観に行きたくなってしまいました(笑)。7月はいろいろと出張続きだったのですが、昨日ようやく観に行くことができました。
主演の野上天翔さん、村重マリアさんをはじめ、博多華丸さん、板谷由夏さん、リリー・フランキーさんと福岡出身者が続々と登場します。ネイティブの博多弁はリアリティがあって雰囲気が出ていました。地元を舞台に映画を作りたいという福岡出身の入江さんの熱い思いが伝わってくるような作品でした。ネットでいろいろ検索してみたら入江さんのインタビュー記事もありました(前編 後編)
実を言うと、授業で学生さんたちに見せたくなるくらい感動・感激しました!!ここではネタバレしない範囲でその感動の一端をご紹介できたらと思います(笑)。
主旋律は子供たちのひと夏の出来事。初恋、友情、自我、葛藤、嫌悪、亀裂、別離…。いろいろやってきます。昭和生まれの私には懐かしい感じすらあります。映画が終わったとき、少し不思議な印象を持ちました。子供たちの出会いや友情、別れがテーマでありながらも、そこにはまた別のメッセージがあるように感じたからです。そのメッセージは何かというと、私たちの言葉で言うと、おそらく「多文化共生」とか「異文化理解」とかそういう言葉に落ち着くのではないかと思います。
小さなコミュニティで周囲から向けられる好奇の視線(それは偏見と隣り合わせなのかもしれません)。大人たちの事情に翻弄されながらも、「他人と違うこと」に苦しみながらも、葛藤し自我を確立していく子供たちの姿。世界の中心はどこ?地球には裏も表もない!自問しながら、対話しながら、失敗しながら、気づかされながら、自分の答えを見つけていく。身近なところから大きなテーマの存在に気づかせてくれる、とても素敵な作品でした。
映画館には親子連れの方々も沢山いらっしゃってました。主人公は小学4年生。10歳の子供が観るには少し難しいかなと思うところもあったのですが、これを観た子供たちが何年か経ってこの映画を思い出して、その意味をまた掘り下げて考えてくれるのかもしれません。アジアに、そして世界に開かれた福岡に是非とも必要な映画だと思いました。皆さんもぜひぜひ☆