2016.03.7
かなり久しぶりのブログ更新となります。3月1日付けでコロンビア大学 人権研究所の客員研究員となりました。これは所謂サバティカル(研究休暇)制度を利用したもので、九州大学に在籍しながら1年間又は2年間海外の研究機関で在外研究を行うというものです(本学大学院法学研究院の制度名は「准教授長期在外研修」です)。
私の場合は2015年度が在外研修の取得年度に当たり、いろいろと紆余曲折あったのですが2015年度末の2016年3月から研修を始めることになりました。コロンビアにしたのはとても単純な理由で、ハーバードのイェンチン研究所のフェローに落ちたからなのですが…多少前向きな理由を書くと、コロンビア大学図書館の人権関連のアーカイブスがとても充実しているのと、国連もNYにあるので資料的にはこれほど素晴らしい環境はないだろうと思ったからです。あと、付随的な理由を言うと、妻も秋から在外研究でNYに来るのですが、在外研究どこが良いと思うかという話をしていたときに絶対NYがいい!とイチ押しされたからです(個人的にはDCやオックスフォードでも良いとは思っていたのですが、いろいろな要因を勘案してNYにしました。この辺の顛末はまたそのうち書きたいと思います)。
おそらく国際政治学の研究者であれば、SIPA(School of International and Public Affairs)や東アジア研究所(Weatherhead East Asian Institute)に行く人が多いと思うのですが、今回私が客員研究員として在籍するのは人権研究所(ISHR: Institute for the Study of Human Rights)というところです。これは我ながら思い切った決断だったのですが、このことには理由がいくつかあります。
ひとつは2013年に出版した『東アジアにおける国家と市民社会』の後続の研究として2015年度から開始している科研費の研究が東アジアの人権ガバナンスを課題としていて、国連人権理事会などの人権のグローバル・ガバナンスとの関係において東アジアの人権ガバナンスを研究するというものなので、人権プログラムが有名なコロンビアの人研究所を選んだという理由です。もうひとつは、どうせ2年も在外研究に行くのだから、国際政治とか東アジアとかではなくて今まで自分がやってこなかったようなことをやっている人たちとも交流できる機関、簡単に言うと学際的な機関に所属しようという思いが強かったからです。コロンビアには法学だけでなく、政治学、社会学、経済学、歴史学、文学、環境学、公衆衛生学などで実に多彩な人権関連のプログラムがあります。人権研究所にも実にさまざまなバックグラウンドの研究者がいますし、むしろアジアを対象地域にしている研究者は少数派です。で、おそらくそういう環境に身を置いた方が学ぶものが多いだろうと思って、ゼロからいろいろ勉強するつもりで、人権関連のプログラムで評価の高いコロンビアのロー・スクールと人権研究所の客員研究員に応募して、両方から受け入れ通知をいただき後者を選んだという次第です。
というわけで、ニューヨークにやってきました!心機一転、新しい環境で研究に勤しみたいと思います。