2016.05.13
Twitterに「西洋中心主義批判」についての議論をいくつか書いたら、国際政治学における「西洋中心主義」批判に関しての九州大学・大賀哲准教授の問題意識としてtogetterでまとめていただいた。
言いたかったことを簡単にまとめれば、国際政治学は西洋中心主義を等閑にしてきたといった批判がよくなされるが、理論史として言えばこれは誤りであるということ。西洋中心主義批判というのは決して新しい批判ではないし、以前からよくある批判である。ただ問題として重要なことは西洋中心主義があるかないかということではなく、どのような論点で西洋中心主義が論じられているのか。ポスト構造主義の議論で言えばアメリカ型の国際政治学(≒実証主義)が西洋中心主義であるし、リアリズムの立場からすればリベラルな国際秩序という見方が西洋中心主義ということになる。この辺は交通整理をきちんとして論じる必要がある。
なお、この中で言及している自分の論文は以下の通り。
「国際政治学における地域主義研究の動向と課題―東アジア地域主義論についての予備的考察」『法政研究』第77巻第1号、2010年 PDF
「アミタヴ・アチャーリヤ=バリー・ブザン編著『非西洋の国際関係理論』/ロビー・シリアム編著『国際関係と非西洋の思惟』」『政治研究』第60号、2013年 PDF