大学院法学研究院 准教授
大賀 哲

SNSの私的利用について

2015.05.19

social-media-550766_640私はたぶん大学教員の中では、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を「かなり」利用しているほうだと思います。TwitterFacebookはもとより、Ask.fmAcademia.eduなども利用しています。個人的にかなり利用頻度が高いということと、ここ最近私のSNSの利用方法についてお問い合わせをいただくことが多いので(…というかその種のご連絡は結構定期的にいただくので)、SNSについての私個人のポリシーを明らかにしておきたいと思います。SNSを普段から利用されている方々にとっては、いまさら何を言う…程度のことが多いですが、非SNS利用者の方からもご意見をいただくことが少なくないので、改めて文章にまとめてみました。

  1. まずSNSの利用については総務省国家公務員のソーシャルメディアの私的利用に当たっての留意点に準じた利用を心がけています。SNSの私的利用は「個人の自覚と責任において、自由に行うべきものである」(2頁)ものの、「発言の一部分が切り取られる等により、本人の意図しない形で伝播するおそれがあること」(3頁)、「職務の公正性又は中立性に疑義を生じさせるおそれの内容のある発信」、「他人や組織を誹謗中傷する内容や他人に不快又は嫌悪の念を起こさせるような発信」、「公序良俗に反する内容の発信、他人の権利利益を侵害するおそれがある内容の発信及び社会規範に反する発信(差別的発言等)」を行わないということを含め法令を遵守すること(5頁)、「思想信条や宗教等」(6頁)に関わる問題や「他人の個人情報、肖像、プライバシー等に関わる内容の発信」(6頁)については慎重な対応や本人の同意が必要であること、「事実に反する情報や単なる噂の拡散への加担は、慎むこと」(6頁)などが明記されています。基本的にはこのガイドラインに基づいて、SNSを私的に利用しています。教育や研究などに関連した事柄を発信することもありますが、それは教員業務として行っているのではなく、あくまでも「業務に関連した個人の所感を述べている」に過ぎません。
  1. 上記のように私の場合、SNSは私的利用ですので所属組織の意見を代表するものではありません(当たり前ですが、ご理解いただけない場合も少なからずあるので書きました…)。その発信はまた「九州大学の教員」としての発信でもなく、単に個人の発信です。氏名や職業を明示しているのは、どんな人間がこういう発言をしているのかということを第三者が参照しやすくするためであって、それ以外の意図はありません。もちろん、「教員としての意見」と「個人としての意見」を必ずしも分けて考えることができない場合、というのも認識していますが、少なくとも上記1に反した発信でない限りは、教員としても個人としても何らの責任を問われることはないと考えますし、自由な個人がその自覚と責任において発信すれば良いと思っています。
  1. また私的な発信であるため、SNSで行った発言に対してSNS外で説明責任を求められるという状況はそもそも想定していませんし、改めてその趣旨や意図を説明する必要があるとも考えていません(無論、教育や研究など大学教員としての業務と密接な関係がある場合や、上記1に該当する場合はこの限りではありません。私的利用ではあるものの、教育や研究など業務に関するものについては一定の責任はあると考えるからです)。
  1. 「誹謗中傷、不当な批判その他不快又は嫌悪の念を起こさせるような発信を受けた場合」(7頁)、基本的には応答しません。また、発言の一部分を切り取ってそれを問題とされているような場合も応答できないことがあります(水掛け論になるだけですし、前後の投稿をよく読んでくださいとしか申し上げられないので)。
  1. Twitterにおける「リツイート」・「お気に入り」、Facebookにおける「いいね!」・「シェア」等は賛意を表しません(fmにおける「いいね!」やacademia.eduにおける「Bookmarks」も同様)。したがって、該当する投稿が上記1にあたる場合を除いて、「リツイート」や「いいね!」に対しては如何なる説明責任も生じませんし、お問い合わせをいただいてもその理由を答える義務はこちらにはない、と考えています。
  1. また、Twitterにおける「リツイート」・「お気に入り」、Facebookにおける「いいね!」・「シェア」などはそれらが賛意を表さないのはもちろんのこと、「記録」や「しおり」という意味合いから取り敢えず「リツイート」・「お気に入り」・「いいね!」・「シェア」などしている場合もあれば、公平性の観点から(関連する意見を)両論併記している場合、ある程度コンテクストを遡って関連する投稿群を提示している場合もあります。したがって、私個人の見解とは正反対のものを「リツイート」・「お気に入り」・「いいね!」・「シェア」することも少なくありませんので、それについて例えば「◇◇をリツイートしているのはどういうことか?」などと尋ねられても(質問者の趣旨に合うようなかたちでは)お答えできませんし、基本的にここに書いてある以上のことは何もありません。
  1. SNSの場合、その発信のスタイルや内容がSNSごとのローカル・ルールや慣行に左右されることが多いかと思います。先ほどの例で言えば、Twitterで「リツイートは賛意を表さない」というのもその代表的なもののひとつだと思います。たとえばTwitterをしたことが無い方に「Twitterでは『リツイートは賛意を表さない』のですよ」と説明するのは大変難しいのではないでしょうか。また、経験上それを説明したところで理解していただけるケースというのは殆どないように思います。したがって、当該SNS以外の媒体からのお問い合わせには基本的にお答えしていません(実際にお問い合わせをいただいても、ここに書いてある程度のことを改めてお答えするか、あるいは「お答えできない」というのが回答になります)。無論、この点は上記3とも関わっていますので、その条件の範囲内で、という意味です。
  1. 「○○さんと『友達』になっているのは何故ですか?」「□□さんと相互フォローなのは何故ですか?」「付き合わない方がいいですよ」「手を切ったらどうですか?」などとコメントやメールをいただくこともあります。この種のお問い合わせにもお答えしていません。端的に余計なお世話です(笑)。

…と以上のようなことが私の基本的なポリシーになります。わざわざこんなことを書く必要もないとは思いましたが、最近この種のお問い合わせが非常に多く、回答するだけでもかなりの時間を費やしてしまうことがあるため、改めて書き出してみました。どうぞ宜しくお願いいたします。


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