大学院法学研究院 准教授
大賀 哲

【ゼミ生向け】「比較する」ということ

2015.05.22

423446_640さてさて、ゼミもだんだんと本格的になってきました。毎回のグループワークはなかなか大変だと思いますが、どのグループを情報をよくまとめて、意見を論理的に組み立てて、解決策を提示していたと思います。グループワークでの作業効率もプレゼンテーションもかなり良くなってきたように思います。皆さんの感想を読みながら気が付いたことも含めて、以下の3点今後の課題とされてみると良いと思います。

タイムマネジメント

これは「先を見た議論をする」ということと同義です。たとえば時間が1時間であれば、1時間の間にどういう状態になっていれば良いかをまずは考えて、そこから逆算して、50分ではこのくらいまで、30分ではこれくらいまで、15分ではこれくらいまで…というふうに工程表を作って考えてみると良いと思います。1時間たった後にどういう状態になってなければならないのかを考えると、自ずとどういう手順で、何をどこまでやらなければならないのかが分かってきます。そうすれば、それぞれの工程で何を議論し、何を決めておかなければならないかが明確になります。

プレゼンテーション
授業の中でも触れましたが、プレゼンテーションについて。とりあえず、要点に分けてプレゼンしてみると良いと思います。第一に教育について、第二に貧困について、第三に経済について等のようにまずは「大項目」に分けて、それを徐々に「中項目」「小項目」(→たとえば教育の中での個別論点)のように細分化した説明をしていくと良いと思います。いろいろと工夫してみてください。

比較→優先順位
今回のワークの中では「比較」をしてその中で「優先順位」をつけるというのが難しかったようです。これはとても大事なスキルで、ゼミで本格的な議論が始まると、とてもとても重要になります。ここでは【判断基準】というのを意識してみてください。

つまりAとBを漠然と比較するのではなく、「○○という判断基準に照らすとAのほうがBよりも優先度が高い」という説明ができるように考えてみてください。

たとえば、「スタバとドトールとオアシスコーヒーはどれが好きですか?」という問いの場合、

【コーヒーの味】という判断基準であれば、スタバ。
【値段がリーズナブル】という判断基準であれば、ドトール。
【落ち着いて勉強できる】という判断基準であれば、オアシスコーヒー。

のように、どういった「判断基準」から比較をするかによって優先順位の付け方が変わってきます。漠然と「あっちよりもこっちのほうが大事そう」ということではなくて、「○○という判断基準から考えると□□のほうが重要」という考え方をしてみてください。実際やってみるとわかりますが、複数の選択肢と複数の判断基準が競合、並立することになります。

つまり、比較とは「対象」どうしを比較するのではなく、「この対象がこの点においては優先度が高い」という【判断基準】どうしを比較することになるのです!

比較→判断基準→優先順位というこの手順を考えてみてください!!

ではでは、皆さん良い週末を!

 


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