2016.04.20
シカゴ出張の後半はシカゴ大学へ。シカゴの中心部から電車で15分ほど。大学のキャンパスはとてものどかで静かなところにある。典型的な郊外キャンパス型の大学でコロンビアが小さく感じるほど（歩いて回るにはやはり広い）。
図書館のSpecial Collectionsで2日ほど資料調査をした。ここは政治学関係だとCharles Merriam Papersがある。私はというとモーゲンソー（Hans Morgenthau 1904-1980）関係の資料をいくつか読んだ。モーゲンソー関係の資料はほとんどが議会図書館に所蔵されているので、ここに入っているものはごくわずか。まあ2日で十分すぎるくらいだった。
モーゲンソーのシカゴ着任前後の記録が個人的には興味深かった。
たとえば1943年。カンザス市大のロースクールでAssistant ProfessorやってたMorgenthauがニュースクールのMax Ascoliの紹介でシカゴのCharles Merriamに手紙をだす。「カンザス市大がロースクール閉鎖します。非常勤で政治学も教えてます。仕事ないですか？」とかそんな内容でメリアムからは「君ならきっとすぐみつかるよ。ニューヨークなら紹介できる大学あるけど非常勤だよ」という返事。あまり仕事探しは上手くいかないが、その直後になんとかシカゴ大でポストをもらう。でもお金がない。いろんなところに研究費のお願い。結局、シカゴ大のSocial Science Research Committeeというところから研究費もらう。いまでいう学内科研みたいなものだと思う。研究計画見ると、「国際政治の哲学的考察」とか概ねそんな感じなので、当時のシカゴでは肩身が狭かっただろうと思う…。あとはシカゴ大の学生新聞Chicago Reviewとのやりとりの記録等もあったり、調べ出すときりがない…。
言うまでもなくシカゴ大学というのは政治学でも国際政治学でもかなり重要な研究拠点であるので、今回見れなかった資料も沢山あり、いずれまたまとまった期間とってリサーチに来たいと思う。
